おもてなしの家『平井邸』
先日、紫波町日詰にある『平井邸』の見学に行ってきました。平井邸は、現在は盛岡市にある【菊の司酒造】十二代六右衛門が当時の内閣総理大臣 原敬 をおもてなしするために新築したお屋敷です。10月には、国の重要文化財に指定される見込みであることが岩手県内の新聞・ニュースでも話題になりました。
岩手の有名な住宅と言えば馬と共に暮らすための南部曲り家ですが、平井邸は日本の伝統的な商家のつくりを見せながらも、煉瓦造りの塀に、互い違いにほどこされた2階の回廊のガラス窓、吹き抜けの居間、モダンな照明器具…と、近代的でちょっと洒落た要素も随所に見られます。
デザインや大工さんの技術が素晴らしいということは屋敷内を歩いているとわかるのですが、説明によると建物に使用された材料もこれまた最高級のものだったよう。廊下や床の間に使われた長い一枚板、各部屋の節のない柱など、当時でも相当貴重なものを使用しているとのこと。
***原敬をおもてなしした二階の大広間は44畳。ちょっとした旅館の大宴会場ほどの広さで圧倒されます。創建当時のままの照明器具のオレンジ色の灯りが、レトロな雰囲気を際立たせていました。
おもてなしのために建てられた平井邸。しかし、おもてなしをされた原敬はその約3か月後に東京駅で暗殺されてしまいました。人生最後の帰郷となった岩手で受けた盛大なおもてなしは、きっと原敬の心に残るものだったにちがいありません。来年には、岩手での国体があります。平井家のように豪勢に…とはいきませんが、私も岩手の素晴らしさをアピールできる“おもてなし”を考えたいと思います。
***同じく原敬ゆかりの地でもある中央公民館の紅葉も素晴らしいですが、平井邸の紅葉もまた風情がありました。一般公開やイベントなど平井邸を見学できる機会も随時ありますので、チェックしてみてくださいね。
by A.Sugawara
―トラベル・リンクでは、平井邸も見学できる「紫波ものづくり一日探検ツアー」を1月に実施予定です。詳細はHPにて。
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