ふるさとの山に向ひて言ふことなし

 先日、同級生と集まったときのこと。花巻市に嫁いだ友人が「日常生活で岩手山が見えないのが寂しい」と話していました。見えないことで気が付く存在の大きさなのでしょうか?私が住む地域では日常生活において岩手山は必ず見えますので、“見えないということ”を気に留めたことはありませんでしたが、いつも見えていたものが見えないのは寂しいものなのかもしれません。

【盛岡市旭橋にて】


 岩手山は、盛岡市に隣接する滝沢市と八幡平市、雫石町にまたがる標高2,038m、盛岡市から見ると東側の斜面が、富士山のように広がる裾野から“南部片富士”とも言われています。盛岡周辺地域からは四季折々、素晴らしい岩手山が見えます。また、どこから見てもほぼ同じ姿をしている富士山と違い、各地域で違った姿を楽しむことができることも魅力のひとつです。

【その魅力のためか、出かけた先で岩手山が見えるとついカメラを向けてしまいます。(先日実施した『八幡平スーパーキャンプ』での1コマ)】


【夕暮れ時の岩手山。積雪があるとより岩手山らしく思えます。(盛岡市松園地区より)】 

【姫神山は岩手山と夫婦だったとされる山。まさしく女性らしさを感じる姿です。(滝沢市岩姫団地より)】


 岩手県出身の詩人、石川啄木の句「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」は、岩手山や姫神山が見える地で生活する私たちの共感を呼ぶことはもちろん、県外から訪れた人もその心情を理解できるに違いありません。ぜひ、岩手の山々の魅力を感じに岩手へお越しください。

【啄木新婚の家の床の間に飾られている掛け軸】

*8月には全国短歌甲子園がここ盛岡で開催されます。個人戦は一般観客の投票により優秀作品が決まります。興味のある方は会場まで足を運んでみては?

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