盛岡と京都にしかないもの
盛岡市は市街地に川が流れており、多くの橋があります。それぞれの川や橋には、それぞれいろいろな物語があります。一度にはご紹介できませんので、少しずつご紹介していきたいと思います。
今回は、上の橋・下の橋の擬宝珠(ぎぼし)についてです。これら二つの橋に取り付けられているタマネギ頭の装飾品が、国指定重要美術品にもなっている「青銅擬宝珠」です。この擬宝珠、実は大変貴重なものだそうです。まず、重要美術品が日常のまちの中で使われているのは、全国でも京都三条大橋と上の橋・下の橋の三橋のみだということ。そして、そもそも天皇の住まいのある場所(京都)でしか使えないことになっていたということ。そのような貴重なものがなぜ盛岡にあるのでしょうか…?その答えは、ぜひ『文化地層研究会』さんのHPでも確認してみてください。
このような貴重なものが、まちなかにあっても、盗まれるのでは?壊されるのでは?という不安もなく、何の違和感もなく日々の生活に、風景に溶け込んでいるのは盛岡ならではと思えてなりません。
ちなみに、上の橋と下の橋の擬宝珠は、それぞれの橋専用のものが混在して装着されているそうです。洪水のため何度も橋が落ちたため、装着の際に取り違えられた説、戦時中の金属供出令の際、同じく取り違えて装着された説。どのような理由にせよ、昔は今ほど厳密に元の状態を復元しなければいけないという流れはなかったのですね。二つの橋を通った際には、擬宝珠に書かれている銘を確認してみては?
参考:『文化地層研究会HP』☛ http://morioka.jyoukamachi.com/
『もりおか川と橋のヒストリア』岩手県庁Ingress活用研究会
『もりおかの文化財』盛岡市教育委員会
by A.Sugawara
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